『先陣きった夏』

轟轟と、うなりを上げる7月の風
この風はきっと、お山の向こうの
本当にジワジワと暑い、夏から来たもの。

カラカラになったセミの抜け殻の中の
透明に残ったものが、渦を巻いたもの。

吹き荒んで、雨期を追い立てる
傘の骨が折れてしまったけれど
いいんだ、もう、暫くは。

梅雨が明けたら、何をしよう
まずは柔軟剤

「行ってきます」が楽しくなり
「ただいま」が幸せになるような

洗濯日和に、かまけよう。


photo by「EIO」様
2020.07.11