『ぼくの花』

綺麗に咲いて香っている
君と手を繋いだ。

お家に招待して
本を読んだり、紅茶を飲んだり、音楽を聴いたりした。

夜は同じベッドの中で
優しく優しく、君を抱きしめて眠った。

けれど翌朝、君は見る影もない。
可憐に散るでもなく
情緒的に枯れるでもなく
君は全く違う生き物になった。

実を結ばない不毛な恋は、不要な生ゴミ。

悲しみより我儘な落胆で

さようならも告げなかった。


photo by「EIO」様
2020.11.07