『君の明日で私は待つ』

君の未来へ、先回り。
光射す先で、私は待つ。

あの頃の君は、運命に魅入られた少年だった。
瞳に揺ぎ無い決意を灯して
衝動のまま、駆けていたね。

君の一途に傷付けられた。
君の正義に打ちのめされた。

羨ましくて、寂しくて
君のアルバムの1シーンに潜んでいた。

あの日の私は
何も言えずに見送るだけ。

今は君と肩を並べて
共に駆ける風になるよ。

ただの思い出で終わらせない
君の明日の新しい運命。

桜の下、待ちわびた誰かが立ち止まる。
知らない男の人のような君が
眩しそうに、目を細めた。


photo by「shigeki」様
2021.03.24