『少女邂逅』

朝日にきらめく、水たまりの中。
異国の香りがする、都会のビル風。
貝の奥から現れる、さざ波の音。

思いがけないようなところに
必然性を見出してみれば、ほら。
あの日の少女が、隠れてる。

何もできなくて
何でもできる
愚かでかわいい私のたまご。

持ちきれないほどの宝物を
一つ一つ捨てていって
大きなひよこなった今の私。

大丈夫。忘れたことはないわ。

白ウサギの時計を壊したのは、私。
お茶会はまだ続いてる?

今はまだ
つまらない大人に、飽きていないだけ。


photo by「りょー」様
2022.01.29