『第1章 エピローグ』

清らかな白は、誕生の色。
薄いベールの向こう側は
これから私が生まれる世界。

これは、一つの結末で一つの始まり。

私にとっては嘘のような奇跡で
他人にとってはありふれた日常。

3g重たい左薬指が
21gの魂を結び付けて。

私の半分は新調され
私たちは二倍になる。

清らかな白は、終焉の色。
人生の墓場がここならば
なんと幸せな人生だろう。


photo by「EIO」様
2022.02.05

まだ誰も呼ばない新しい名前は
二人だけの秘め事の様だった。