『私はアリス』

太陽と目が合う瞬間。

ふわりとスカートが広がって
謡う風が髪をさらい
靴音がやけに綺麗に響くとき。

今、ここでこうしている自分が
まるで完成された一枚の絵画のように
鮮明に脳裏に描けるとき。

目に見えない輝き
耳に聞こえない静寂
私の周りを彩る
圧倒的な運命に気が付けば。

多分恐らくきっと、そう。

主人公は私なんだと、確信めく。


photo by「いず」様
2022.06.05